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15: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)20:34:27 ID:n1y
お題「軽率」です。

17: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)20:41:55 ID:n1y
軽率

エス博士はとある軍関係者と話をしていた。
「敵兵が軽率になる薬を開発して欲しい。敵兵士が思わずミスしてしまうような薬を散布すれば有益な兵器となる」
エス博士は、ある程度の人道的な兵器である点と、多額の報酬を考慮し、快諾した。
苦労に苦労を重ねて、エス博士は「軽率薬」を開発した。
後は、この薬の人体実験をすれば良いだけなのだが……。
エス博士は様々な人に治験のお願いをしたが、「軽率者なんかになりたくない!」の一言で敬遠されてしまった。
困ったエス博士は自分で「軽率薬」の入った瓶から数滴を取り出し、自らに投与した。
「これで完成したかどうかを確かめられるぞ!」
エス博士は意気揚々と、「軽率薬」の入った瓶をゴミ箱に投げ入れた。
 

19: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)20:42:55
『軽率な男』

こんばんわー

玄関先から声が聞こえる
誰だろう?
玄関の覗き穴から覗いて見た

こんばんわー
宅配便でーす

家に宅配便が来る予定は無い
どなたからの荷物ですか?ドア越しに声をかけてみた
宅配業者は答えた

○○さん居たんですね
会社に出て来ないから様子を見に来た
○○会社の○○ですよ

私はあなたを知りませんが?

知らないのは当然ですよ
ここに住む○○さんは今朝公園の茂みから遺体で発見されましたから

えーっ!
あなが殺したのですか?

馬鹿な事を言うなよwwwここの住人が殺されたと言うのに
ここに住人が居る
おまえは誰なんだよwww

25: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)20:48:16
タイトル 軽率な嘘

こりゃ完全に遅刻する。
会社に遅刻しそうな俺は、道すがら上司への言い訳について考えていた。
「電車が遅れて」
「妊婦さんが倒れて」
うーん。どれも反論されて終わりそうだ。
横断歩道を歩いていて俺は、横を通り過ぎていく自転車を見て思いついた。
「そうだ!交通事故に遭ったことにしよう」
「自転車と接触事故を起こして、病院で検査を受けたといえば、怪我していなくても怪しまれないだろう」
「病院に行くなら、むしろ、もっと遅れていかないと」
寝坊したせいで朝ごはんを食べていなかった俺は、レストランでモーニングを済ませようと思い、横断歩道を引き返そうとした。
すると、目の前に飛び込んできたのは青い自動車。
まさに今、歩行者道路の信号が赤に変わったところだった。
俺が横断歩道を渡り切ったと思った自動車は、アクセルを踏んで飛び込んできた。
軽率な嘘の代償に、俺は病院へ運ばれたのだった。

終わり

27: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)20:49:55
『軽率な水曜日』

水曜日の午後のことである。
週の真ん中で気だるい雰囲気が漂っていた。
喫茶店で働く私は午後の緩やかな空気感を楽しみつつラジオを聞いていた。
昼食時の混雑はすでになく、店内にはコーヒーを注文するサラリーマンなどが
まばらにいるだけだった。
気を抜くとあくびでも出そうな空気の中、なにやらラジオの音が騒がしくなった。
何事かとボリュームを上げるといつも冷静なニュースキャスターが慌てた様子で何やら言っている
私はぼんやりする頭で耳を傾けて、キャスターの声を聞いた
曰く「軽率な行動は控えるように。くれぐれも冷静に」
一体何だというのだ?と首をかしげていると窓の向こうで爆発があった。
後日知ったことであるがこの国は戦争状態に突入したそうだ。

おわり

41: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)20:58:04
私は素晴らしいショートショートのアイデアを思いついた
しかし、だれもが驚愕するであろうオチとそこへ至るまでの伏線、
そしてそれから目をそらすためのミスリード
そういったアイデアが突如としてひらめいたのだ
私は天才であるに違いない!
これを完成させれば私の名声は留まる所を知らぬものとなるだろう
しかし、問題は時間であった。制限時間がある
20分という時間で詳細を詰めそしてそれを文章に起こさなくてはならない
私は天才だ。驚天動地のアイデアを思いついた私にそれができないはずがない
さぁやってやるぞとキーボードを叩きはじめたら
細部は勝手にできあがってきた
文章のつながり、それが自然と話として出来上がって行く
頭のなかにあったアイデアも無理なく配置された
読み返してみても我ながら面白い
さあ、あとは投下するだけだ
え?なにこれ?お題使わないといけないの?
ってかもう制限時間おわってるじゃん
え?俺の名声は?
なんで

53: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)21:01:56 ID:n1y
お題「ロボット」です。

56: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)21:10:01 ID:n1y
僕とロボット

「おい、自らの腕を破壊しろよ」
僕はロボットにそう言ってやった。ロボットはアホみたいに自分の腕を引きちぎって破壊した。
ロボット三原則が組み込まれたロボットは人間様の命令に従わなくてはならない。
「おい、ロボット野郎、人間とロボットどちらが優れているかを言えよ」
「もちろん、人間です」
「じゃあ、お前らロボットはバカなんだな?」
「定義によりますがーー」
「あ? 口応えしてんじゃねえよ」
「……はい、我々はバカです」
たまらなく面白かった。だって、高度な知能であるロボットがこんな子供の僕に頭を下げてるんだぜ?
「おい、ロボット。次は頭部を破壊しろ。そうだな、このコーラと部屋の電源を使え」
「はい、分かりました」
ロボットはそう言うと、コーラを頭から被り、部屋の壁を壊して電源を握りしめた。
バチバチと火花が散ったが、僕の方へは飛んで来ない位置をキープしている。
瞬間、僕の首はロボットの手刀で切り落とされた。
そうだよね、人工知能の部位を破壊したら、三原則は守られな

58: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)21:16:55
私はロボット


町工場が社運をかけて開発したロボットが誕生した

このロボットを量産化して販売すれば傾きかけた会社も一気に右肩上がり
全て借金も返済して社員にボーナスも払える
社長はひとり、ほくそえんだ


発表当日、私は記者会見を開き記者達の質問に答えた
社長!ロボットはどこですか?まずロボットを見せて下さい!


私がロボットです
社長と言う名のロボットです

記者達はどよめいた
社長がロボットだとは…

社長!どんな働きをするのですか!?

私は潰れかかった会社の社長に成り代わり自殺をして保険金を頂き、会社を建て直すと言う役割のロボットなのです
私のおかげで今の会社を建て直す事が出来たのです


記者は絶句した

61: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)21:21:05
タイトル ロボット漫画

右手を負傷した。
これでは漫画が描けない…。
来週の締切に間に合わない…!
私はロボット博士に電話をかけた。
「博士!至急ロボットを!」
1時間後、ロボット工学研究所の博士から漫画のアシスタント用ロボットが
届けられた。
「頼んだわよ!アシ子ちゃん!」
アシ子ちゃんには、過去何万冊の漫画の知識が埋め込まれており、
ストーリーを作るのはお手のもの。
原稿用紙を読み取らせれば、画風に合わせて作画することもできるのだ。
アシ子ちゃんは、わずか1日で残りの14ページを書き上げた。
「すごいわアシ子ちゃん!」

しかし、アシ子ちゃんの原稿を見た担当者から、思わぬ一言が。
「この漫画には、スピリットが宿っていない」
「あなたの汗の染みこんだ原稿じゃないと、読み応えがないわ…」
そういって、担当者は原稿を受け取りつつも、トボトボと帰っていった。
「ごめんなさい、担当者さん…。次回は必ず私が…!」

会社に戻った担当者は、一人デスクで呟いた。
「あの子は知らなかったのね。うちの会社がただの出版社じゃなくて、ロボットに素材を提供している会社だということに」
会社の名前は、創作会社。
ロボット工学研究所に、「新しい漫画」限定で売り込んでいる出版社である。
今や漫画のほとんどはロボットが描いている漫画であるが、インプットする漫画の情報は限られている。
読者は求める新しい漫画を作るには、新しい発想が必要なのだ、
「漫画を描くための漫画…。大したこだわりなんか、要らないのに」
担当者は吐き捨てるように言うと、原稿をダストボックスに捨てた。

終わり

71: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)21:34:55 ID:n1y
締め切ります

今回は、
>>58
>>61
>>56
の引き分け試合でした。

次のお題安価

>>75 みんなも気軽にやってみよう!

76: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)21:36:24 ID:n1y
お題「クリスマス」です。

77: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)21:43:28 ID:n1y
ホワイト・クリスマス

私なりにだが豪華な食事を食べてもらいたかった。
最愛の彼女には特別なものを与えたい。
それは、どんな男性だって思うことだろう?

夜景の見えるフレンチレストラン、
ちょっと過剰な演出かもしれないけど、真っ赤なバラの花束まである。
12月も後半、レストランからの夜景には雪がチラホラと見えた。

この特別な夜に、私は彼女に向かって微笑んだ。
彼女も当然のように微笑んでいる。
私がポケットに忍ばせたリングには、きっと驚くだろう。

「あなたを愛しています。結婚してください」
私は堂々と、予定していた言葉を言った。
彼女はというと、少しはにかんでいるように見えた。

周囲から白い目で見られていても関係ない。
私は魔女ッ娘天使ミララちゃんと結婚すると決めたのだ。

79: クリアカラー◆l0pOy2wdIQ 2015/12/17(木)21:49:34
『ニコラスの靴下』

みんなうかれている。
だってそういう日なんだ、止める権利なんてない
僕の心が重いのは、だからつまり、ただのわがままであって。

「メリークリスマス!」

そうふざけて声をかけてくるサンタ姿の外人のおじさんに腹が立つのも、だからと言ってどうしようもないのだ。

そのサンタ姿のおじさんを見返したのかにらみ返したのか、僕にはよくわからない。
とにかく、視線がぶつかって、サンタのおじさんはほんのすこしの間真顔になって

「ああ、そうだ」
少し声を小さくして。

「あなたにはこう言わなくちゃね、ハッピーバースデー」

そう言った。

80: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)21:49:46
「寒いな」
男にそう言われて、私は肯定する代わりに白くなった息を見せて笑った。
それもやがて暗い闇の中で薄くなり消えていく。
「たまりませんな」
私がそう言って彼の方を見ると、彼は震えながら何度も頷いた。
男の後について歩き続けると、やがて白いドアの前にたどり着く。
気圧が変わり空気が抜ける音がしてドアが開いた。屋内は外とは違い、人工的な光に溢れている。
「もう、そんな季節になっていましたか。長官殿の家ではもう暖房は出されましたか?」
長官は額に険しい額を思い出したように私に聞いてきた。
「この時期の燃料は高いのです。貧乏役人の私にはとても」
男は目を閉じると納得したように深く目を閉じた。そして、不満気にうつむく。
「全くここは宇宙コロニーであって地球じゃないのに
節約のための人工的な冬、なんてほんとうに必要なんですかねぇ」
通路の窓からは半分を太陽に照らされた美しく青い球が浮かんでいる。


85: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)21:53:47
タイトル クリスマスプレゼント


ジングルベ~ル、ジングルベ~ル、鈴が鳴る~♪
テレビの向こうでは、女の子がクリスマスソングを歌ってはしゃいでいる。
街頭インタビューもカップルばかり。
「もうクリスマスか…」
一人身の俺にはなんとも厳しい季節である。
しかし俺には嫁がいる。
この二次元の嫁が!

だが、最近、二次元の嫁の様子がおかしい。
なんだかそわそわして、電源を入れても出てこないのだ。
「清子ちゃん!清子ちゃん!」
「せ…誠一…くん…」
PCに映らず、消え入るような声でつぶやく清子。
「ごめん…誠一くん…私…行かなきゃ…」
「清子?清子?」
清子は消えた。
俺のPCから完全に。

後から分かったことだが、二次元の嫁にはウイルスが感染していたのだ。
12月24日。
清子とクリスマスをお祝いしようと思っていた俺は、激しい虚無感に襲われていた。
家にいても辛さが増すばかり。
俺は3年ぶりに家の外に出て、当てもなく街路をさまよった。

「たーくん、今年のクリスマスは私がプレゼントよ♪」
「ははっ、こいつー♪」
チッ。すれ違うカップルに俺は舌打ちしつつ、気が付いたら大型家電にいた。
もう一度清子に会うためには、色々購入しなくてはならないものがあるのだ。
「清子…清子ーーー!」
「きゃっ!」
走り出した俺に誰かがぶつかった。

「あ…す、すいません」
俺は慌てて謝った。
「いえ、こちらこそ前を見ていなくて…」
その人は同じ年ぐらいの女の人だった。
「あ、メガネが…」
ぶつかったショックで、彼女のメガネが落下してヒビが入ってしまったのだ。
「すいません!俺のせいで!弁償します!」

彼女とはそのことをきっかけに、長い交際が続いている。
これが、清子が俺にくれたクリスマスプレゼントだった。


終わり
長くてごめんね

94: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)21:58:37
吹きつける風に注意しながら彼は屋根の上を慎重に歩く
雪がちらつき始め、外気に晒された髭は冷え切りごわごわと硬くなっていた
もう三件目だ。じわじわと体温が奪われていく
しかし北国育ちの彼にとって寒さなど慣れたものだ
煙突にたどり着き中を覗きこむ
煙が昇って来ているため底まで見通すことはできなかったが
新しい家だけもあって煙突の内部はきれいだった
ススで汚れる事もなさそうだ
彼は煙突を滑り下り、そして悲鳴をあげる
落ちた先は煮え湯だった。子ブタたちが嬉しそうに声をあげる
「やったー素敵なクリスマスプレゼントが飛び込んできたよ!今日は狼鍋だね」

104: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)22:02:27 ID:n1y
お題「レモン」です。

107: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)22:08:52
「こっちのレモンの方が美味しいよ」
彼女の方に黄色に光る果物を差し出す。
彼女は私の口に別のレモンを押し付けてくる。
「こっちのレモンのほうがおいしいわ」
私は一口かじってみる。私が手に持っているものより苦く酸味が強い。
私は苦笑いして彼女を見た。
「これがおししいって君はお嬢さんだけど舌は超えていないんだね?」
彼女は苛ついて鋭い視線をこちらに寄越す。
私達を見ながら店員は言った。
「それ柚子です」

108: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)22:10:05 ID:n1y
味を引き締めるためのレモン

私は手際良く材料を切り分けていく。
料理に肝心なのは、愛情でもお金でもない、手際だ。
特に、今回のような料理には必須である。

思えば、なんでこんな料理を作るはめになったのかを思い返す。
夫が浮気をしたのだ、誠に残念なことだが。
でも、こうして料理をしていると、そんなことは瑣末な事に感じる。

今日の料理はお刺身。浮気した夫に食べさせるのであっても手を抜く事はできない。
むしろ、愛情を深めるためにも、より美味しい料理を作ってあげなくちゃならない。

私は切ったレモンを、そのお刺身ーー活け造りに絞り落とした。
味を引き締めるためだ、20個は買って置いたレモンを次々と絞っていく。
肉に存分に浸み込めば、味もなじむ。きっとあの人も喜んでくれるわ。

「あなた、できあがったわよ」
夫の顔は引きつっていた。浮気女の活け造りを見て、美味しそうと思ったに違いない。
そんなに豪勢なものじゃないのにね。

私は味を引き締めるため、もう一回、手に持っていたレモンの汁を活け造りに落とした。
口をパクパクさせている。
「さぁ、あなた、新鮮な内に召し上がれ」

116: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)22:16:36
レモンのある風景

太陽光線が眩しい。
季節は夏である。今年は特に暑い気がする。
学校までの約3kmはあまり運動の得意でない私にとってもはや永遠とも思える距離である
まだ午前中であるというのに気温はすでに高い。
額から流れる汗が不快で何度もタオルで拭いながら舗装されていない田舎の道を歩いている。背中に張り付くブラウスも鬱陶しいことこの上ない。
めげそうになる気持ちを奮い立たせながら私は歩いた。
そのかいあって、学校の校舎が見える距離までたどり着いた。そのときである。さあっと風が吹いて私の暑い肌を撫でた。
実に気持ちがいい。眼前には檸檬の木が並んだ果樹園が見える。鮮烈な黄色と青々とした葉の色に目を奪われた。
私はその瞬間、鬱陶しく気だるい気持ちを忘れることができたのである。

119: クリアカラー◆l0pOy2wdIQ 2015/12/17(木)22:21:21
「アフター檸檬」

それを見つけたのは古本屋だった。
どことなく茶色な店のなか、棚の上にあった鮮やかな黄色。
店主は知っているのかいないのか、何か書き物をしつつカウンターの奥でごそごそとやっている

そっとそのレモンを手に取った。ひやりとしたレモンの感触がした。

誰が置いたのかは知らない。でも中々に楽しいいたずらだと思った。明日ここに来たら、レモンの香りがふんわりと染み込んだ素敵な古本ができるような予感がする。

レモンを元あった場所に戻して、私は古本屋から出て街を歩く。
あの鮮やかな黄色が、いつまでも心に残っていた。

120: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)22:22:20
タイトル すっぱい関係

清子はボリボリとお菓子を食べている。
「すっぱいムーチョはやっぱ最高やな!」
「俺はからいムーチョ派や。そんなにすっぱい味が好きなのか?」
「すっぱいムーチョは俺のお気に入りや!マイベストスナックや!」
「そんなにすっぱいのが好きなら、これでも食いいや!」
俺は清子に、キッチンにあった切れたレモンを差し出した。
昨日の晩飯のエビフライについていたやつ。

清子はレモンに噛り付くと歓声を上げた。
「なにこれウンマー!」
「はー…信じられへんわー」
俺は手についたレモンの汁を服にこすりつけてから、再びからいムーチョに手を伸ばした。

「こら!あんた何しとるん!?お菓子食べちゃダメって言うたでしょー!!!」
「げっ!BBAが来た!逃げ…」
BBAが清子にハエタタキを振り下ろす直前に、俺は清子をさっと手のひらで救いだす。
「そんなイモムシ捨てろいうたやろー!」
「イモムシちゃう!清子や!清子は俺の友達や!これから脱皮して、綺麗なアゲハチョウになるんやで!」
清子は俺の手についたレモンの汁を舐めている。

終わり

アゲハチョウはレモンが好き
これ豆な

121: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)22:22:24
「ファーストキスは」

俺は大病を患い入院している。

今日は俺の妻の美咲が見舞いにやって来た。

妻は果物の詰め合わせを持ってきて、俺にどれを食べたいか聞いた。
俺はりんご、と言いかけたがふと思い出した事があって
「レモンをくれ」と伝えた。
妻は「レモンを?」と正気かというような表情で聞き返してきたので
「レモンだ。」とすこし怒気を込めて言った。

隣でレモンを切っている妻を眺めながら、俺は出会った頃の事を思い出していた。
付き合い始めの頃、初めてのデート、そしてファーストキス。
たしかレモンみたいな味がしたな。と思ったので妻に
「僕らが初めてキスした時のことを思い出すな?美咲」と言ったら

「いやだわお父さん。お母さんはもう亡くなったじゃない」
……はて、ではこの美咲にそっくりな女はだれだろう?

122: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)22:23:54
「レモンは酸っぱいものだろう?」
表情を全く変えずレモンを頬張る彼女を見て、僕はそう言った。
「でもこのレモン甘いのよ」
そんなはずがない。試しに一口分けてもらうと、唾液が洪水のように出るほど酸っぱい
「キミの味覚がオカシイんじゃないか?」
「そんなことないわ」
頑なに認めないので病院へ連れて行った。
だが彼女の身体にはどこも異常がなかった。
念のため彼女を入院させ、私は一人で家へと帰った。
「これは困ったことになった」
彼女が健康になって戻ってくるまでの間、家事は私はしなければ。
その日の夕方、私はスーパーで『甘いレモン』が売られているのを見た。

138: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)22:37:27 ID:n1y
お題「青春」です。

139: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)22:43:34
私はもうずっと終わらない青春を過ごしている
気の良い友人、気だるげな授業、初恋の彼女
この若木の香り漂う時間を、70年は過ごしただろうか
そして卒業式の日、愛しいあの娘から告げられた
「さようなら。またいつか、会いましょう」
あぁ、それまでどうかお元気で

『――お悔み申し上げます』
「いい笑顔だ』
『大往生だよ、大往生』
『どんな夢を見たんだろうか』
『おじいちゃん、バイバイ』
私の生涯は青春のままであった

140: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)22:43:45 ID:n1y
青春時代?

俺は思ったんだよ。色々な事しておけば良かったなぁって。
え? そうだな。夏まつりとか行きたかったね。
なんかこう、宛ても無く彷徨うんだよ、ちょっと恋が見つかったりして。

あとはね、うんとね。昼寝しちゃうわけ、夏の日に。
ふと目がさめると、なんだろうね、花火なんかに照らされた長くて黒い影があるんだよ。
窓は閉じてるんだぜ? それでも見えちゃう感じなの!

誰かの憧れた世界を彷徨うのもいいね。
青空に置いてけぼりになっちゃうんだよ、俺の心がさ。
そして、心が夏色に染まる! みたいな、な? ほら。

他に言う事あるかって?
そうだな、インドの偉いお坊さんから不思議な飲み物も教えてもらいたかったなぁ。

「それ、やっぱ少年時代だわ」
「やっぱ、そうなっちゃうよなぁー」

141: 永遠の1Hz◆1HzvI1zDBo 2015/12/17(木)22:45:42
「青春と異常」
いつから、私はこうなってしまったのだろう。
服はボロボロ。
私の青春は....思い描いていた未来は、こんな筈じゃなかったはずだ。
いつか立派な一流の.....
それが今じゃなんだ。
会社員だった。会社もクビになり、
妻にも逃げられた。
青春.......
青春って、何だ?
ラクになること....楽しかったな
ラクになることか....
「グシャ」
「うわ、人が線路に飛び込んだぞー!!」
「自殺かー!?」
ああ、これが青春....

142: クリアカラー◆l0pOy2wdIQ 2015/12/17(木)22:48:46
「15の夜」

バイクは持っていないし、煙草も吸わない、恋をしているわけでもなくて、ずるい大人も見てみぬふりをして。

でも、それでも。

スマートフォンとにらめっこして、短い物語を書いているこの夜が、僕の青春だ。最高の青春だ。

143: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)22:49:17
タイトル 青春ダイナマイト

喧嘩といえば青春の華
真夏の炎天下、燃えるようなコンクリの熱、俺は奴と対面した
奴は隣りの高校の鉄拳番長、五郎丸。
奴の拳を食らったらひとたまりもない。

俺は「先手必勝!」と叫びながら、五郎丸に飛びかかる。
俺の右ストレートが五郎丸を貫くも、それは陽炎、空振り…!
気付いた直後、俺の左頬に五郎丸の右ストレートがさく裂する!!

俺は倒れた。
五郎丸は俺に手を差し伸べた。
「へっ、やっぱ青春はこうじゃなきゃな…」
俺は手を握ろうとした。

すると五郎丸は
「は?違ぇし」
そう言って、俺の右ポケットから財布を抜いた。

「…」
立ち去る五郎丸の背中。
俺の青春が終わりを告げた瞬間であった。

終わり

152: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)22:53:38
「夏の夕方」

カナカナゼミの声が暗くなりかけた公園に聞こえている。
ビルの谷間にあるここで、いつも同じ時間に合うのが俺たちの約束。

「やあ、今日はどうだった?」
「別に。普通よ」

お互い行先は違ったけど子供の頃から育った仲だ。
顔を見て、声を聴くだけで安心できる。

「お前、す、好きな奴とかできないのか? 俺ちょっと心配で心配で」
「今のところないわね。ウチにいる男どもは貴方みたいね度胸ないみたいでさ」

このまま連れ去りたい。君を前に何度もそう思ったなぁ。

「じゃあ私、これから予定あるしまた明日ね」
「あ、ああ。俺またこの時間に来るよ!」

飼い主の女のリードに引かれて去る彼女が見えなくなるまで
俺の主人は待っていてくれた…。

157: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)22:55:48
「青春の亡霊」

大人になって頭に浮かぶのはいつも同じ
自分が輝かしく生き生きしていたあの頃
自覚なく生を謳歌していた頃
その時から亡霊は背後にいた
今、俺の目の前は真っ暗
視界を覆い尽くすのは青春の影

158: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)22:57:02
「青春なんだから真っ青に染めてやろうぜ」
彼は唐突にそう言った。青春ってそう意味じゃないんだが。
だが彼と僕はすぐに行動に移した。
大量のペンキを買ってきて、教室も校庭も音楽室の肖像画も全部青色に染めてやった。
プールは元から青いので見逃してやった。
退屈だった勉強付けの毎日に、空と海だけが広がったようだった。
僕たちは大笑いした後、先生にバレて激しく怒られた。
全部キレイに掃除しろと言われ、ペンキも塗ってないのに僕たちの顔は青ざめた。

160: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)22:58:39
雨宿り

六月下旬のある日の事である。梅雨特有のじめじめとした日が続いて気の滅入る思いだった事を覚えている。
朝から曇天模様で夕方から雨になる予報だった。しかし僕はうっかり傘を忘れてしまった。いつも鞄に入れておいたのだが…。
そのことに気づいたのはもう帰宅途中であった。本降りになる前にどこかで雨宿りでもと思いながら走っていると
小さな神社が見えた。よしあそこで雨宿りをさせてもらおうと考え走る速度を早めた。
やっとの思いで社に駆け込んで一息ついた。やれやれえらい目にあったと髪から雫を垂らしながら思った。
そんな時横合いからすっとハンカチが差し出された。可愛らしい刺繍の入ったハンカチである。
一体どうしたことかと差し出された方を向くと、おさげの女学生がいた。
僕は恐縮しつつ平気であると言ったがあまりにも濡れネズミであるので
彼女は遠慮せずに拭くように言った。根負けして僕は礼をいいハンカチを受け取り額を拭った。
社の屋根に打ち付ける雨音が心地よい。しばらく雨はやみそうになさそうだ。
もう30年連れそった妻との青春の思い出である。

161: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)22:59:41
初めての青春

青春。その言葉は私には無縁だ。
学生の頃、私は目立つ生徒ではけしてなく教室の自分の席で本ばかり読んでいた。
誰にも干渉されず一人でいた学生時代。
何かに熱中する事も女性とも話す事なく何もない時代を過ごした。

そんな自分も大人になり一会社員として過ごし、それなりにも年を重ねた中で最近可笑しい。
基本仕事以外に人と関わらない私。
そんな私に一人の女性が干渉してくる。
必要以上に私と会話を求め何かと私に頼ってくる。
最初は煩いとさえ感じたが日々を過ごす中で私にも変化があった。彼女といて何故か楽しいのだ。
人と関わり楽しいなど私にとって初めてだった。

初めての事で私自身焦りや戸惑いがあり最近よく分からない感情に突き動かされている。

ふと学生の頃からの辞書を流し読みする。

その中で
【青春】
若い時代。人生の春にたとえられる時期。希望をもち、理想にあこがれ、異性を求めはじめる時期。

…若い時代ではなくなったが今の自分の心境がそこには書いてあった。


無縁と思っていた言葉がそこに。


私にも初めての………。

179: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)23:06:19 ID:n1y
お題「崖」です。


183: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)23:08:40
崖を登る人がいる。ロッククライマーなどだ
崖から飛び降りる人がいる。自殺者などだ
崖を横に歩く動物がいる。ヤギだ
崖の上にいる。ポニョだ
崖の上で犯人を追い詰める人がいる。船越英一郎だ

187: 永遠の1Hz◆1HzvI1zDBo 2015/12/17(木)23:13:24
「最期の懇願」
小学生時代、俺はいじめられていた。
空は青い。
夏....だな。向日葵も咲いている。
薫風が吹いている。心地よい風だ。
それに合わせて向日葵が
少し揺れる。
ミーン....ミンミンミーン.....
蝉の声。
私は今、崖にいる。
飛び降りようというのだ。
俺の最期の懇願は.....
最期の懇願は....
「崖だけに足掛けて(かけて)飛び降りれないことかなー☆」
渾身の最期のダジャレ。
うん。
滑った。風が強くなってきた。
俺は、無言で海に飛び込んだ。

191: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)23:18:17
未だかつて誰も登ったことのない崖があった
そこで世界で一番の技術を持つ男がその崖に挑戦した
何度も滑り落ちそうになり、腕が痺れ、それでも男は崖を登った
そしてついに、男は崖の頂上へとたどり着いたのだ
崖の上から見る景色は、とても美しかった
だがその直後、男はまた崖の下へと連れ戻されることになる
「ダメじゃないか飼育員さん。サルが脱走しているぞ」

193: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)23:20:09
「世界の端にて」

さて、どうしたものか。
決心がつかず、小一時間はここに佇んでいる。

行動を起こせばすぐ終わる。
それ故にまた難しい。

遠くに目をやると、青々とした山稜の上に
千切れ雲がひとつ浮かんでいた。

あれに乗れたらどれだけ楽だろう?
どれほど悩みから解放されるだろう?

お金のこと、仕事のこと、恋愛こと、人生のこと。

この世界の端っこに立ってみると
人間ひとりの悩みなど実にちっぽけなものだと分かる。

「そろそろ引っ張るのも限界だ。飛べ芸人」
「はい!ディレクター!」

こうして、たっぷりと苦悩するシーンの演出に成功し
私はヘッドカメラと共に人生初のバンジージャンプへと歩を進めた。

194: クリアカラー◆l0pOy2wdIQ 2015/12/17(木)23:21:13
「君の手を」

君の手をがっちりと掴む。
離さないように、離れないように。君は苦しそうに顔を歪めて、重力と戦っている。

落ちれば命の保証はない。ひとつしかない命を懸けて、僕らはただこの崖を登りきる。

君は落下の恐怖に息を乱す。僕も余裕なんかとっくになくなっていて、ただ、君が落ちないように渾身の力を込めて

「ファイト、いっぱぁーつ!!」

君を引き上げた。


※商品のイメージであり、実際の効能を示すものではありません

200: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)23:28:41
きっと越えられる

もうダメだ。
この言葉をもう何度口に出したか分からない。
現在僕は友人の誘いからロッククライミングというのをしている。
嫌で嫌で仕方なかったが他友人らから無理やり拘束される形でここまで連れてこられた。
逃げようとしても、道具を身体に固定され既に崖に登った友人達から引っ張られ、僕は崖に置き去りにされた。
下を見れば既に自力で降りられない距離。
道具を渡され後は自力で上に上がるしかないようだ。

日々ネットと引きこもりの毎日の僕には既に限界で身体は汗だく視界霞んで見える。
そんな僕を友人達は崖を登頂し上から応援しているようだ。

もう何度もダメだと限界だと何度も負けそうになるが僕はがむしゃらにただ崖を登る。

そして僕はいつの間にか崖にたどり着き登頂に成功していた。あんなに必死だったのに以外にあっけない感じにも感じたが、それでも自然と充実感はあった。

そんな不思議な気分の中友人が呟く。

なんか人生みたいだよな と。

僕は自然と働く決意、社会と向き合い自分と向き合い生きていく覚悟を決めた。

202: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)23:29:49


毎日、毎日崖の淵に来ては溜息をしていた。
今日も来ていた。
次の日もまた次の日も。
するとある日、自殺防止用の柵が出来ていた。
それでも柵を乗り越え崖の淵に来て溜息をしていた。
毎日、毎日崖の淵に来ては溜息をしていた。
ある日後ろから「思い切れなんだろう。背中を押してやる。」と聞こえた。
僕は押され落とされた。
綺麗な花を見ていただけなのに。

208: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)23:32:12 ID:n1y
お題「未来」です。

209: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)23:37:33
少しだけ先の未来が見える眼鏡
覗くのに10万円かかるという
これで競馬でも当てようと10万円支払った
いざ覗くと眼鏡を机に置く自分が見えた




210: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)23:38:11
俺の書き込みはいつも未来へと繋がる
その時その時でレスをしようと、どうしても次の日やそのまた次の日に書き込まれてしまう
だから会話が噛み合わない。一部の掲示板で俺は『脈絡のないレスをする荒らし』と認定されてしまった
しかも恐ろしいのは、未来への書き込みのスパンが日に日に長くなっていることだ
今日の書き込みは明日書かれ、明日書いたレスは『し明後日』書き込まれる
なぁ、俺のこのレスを見ている人。『今』は何年の何月何日だ?
今日はスペースセンチュリー3515年の12月17日。
火星コロニーの連中が落とした爆弾で、地球は今光り輝いtjw

211: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)23:38:41 ID:n1y
未来穴

私の部屋にいつの間にか穴ができていた。
興味本位で覗いてみる。私がそこにいた。
私の方に手を降っていた。

はぁ、そんなものなのかと私は、私を見ているであろう場所にも
同じように手を降って見せた。
また、穴を見ると頭を押さえて悶えている。

私が私の部屋で、頭を押さえて悶えている?
私は私の部屋に今、いる。
過去に同じようなポーズを取ったことはない。

手を降った姿を見てから、私は手を降った。
すると、私は数秒後、頭を押さえていることになる。
かなり悶えていたな……。

そうだ!! 一つの名案が浮かんだ。
私は頭を押さえて痛がって悶えるふりをした。
こうすれば、問題は起こらないはずだ。

私は私を見ている自分の事を考えて、
つまり、私のことを考えて、少し未来が見える穴のことを忘れることにした。

212: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)23:42:01
「声」

録音テープに入った「ご飯だよー!」の母の声。

お気に入りの曲をダビングし損ね、その時は腹が立ったけど
今となってはたった一言の母の声。

これから生まれる娘に伝える、唯一残った未来へのメッセージ。

213: クリアカラー◆l0pOy2wdIQ 2015/12/17(木)23:51:52
「スーパーコンピューター」

「朝が来るまであとどのくらい?」
私がそう聞くと、
「21662セコンド」
とスーパーコンピューターは答えた。この国の最高の技術でもって作られた彼に、私はテスト代わりに質問していく。

今年はじめての雪が降るまでは?
「18デイズ」
天気予報はこの子の本業。年明けは雪かきしなきゃ

少し質問を変える。彼の力を応用できるかのテスト。

私が結婚するまでどれくらいかかる?
「ユー、アー、オールレディ、マリィド」
ひっかからないか。

じゃあ別れるまでは?
「アバウト、3イヤーズ」
嫌な子だ。

飼ってる犬のマリーはあと何年生きられる?
「アバウト、3イヤーズ」
嘘、まだ子犬なのに。意地悪してるのかな

じゃああなたはいつまで運用される?
「アバウト、3イヤーズ」
嫌な、予感がした。

じゃあ、じゃあね、人間が滅亡するまで、あとどれくらいの時間がある?
「アバウト、3イヤーズ」

214: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)23:56:35
自分と未来は変えられる

友人から言われた。
他人と過去は変えられないが自分と未来は変えられると。
胸に来る感覚もあったが自分はそれが何だと言うんだと吐き捨てる。
正論を突かれたから?図星を突かれたから?

過去の事がいつまでも消えない

俺はずっと昔の出来事を引きずってばかりいる
消えたくても消えない。頭の中で過去の事がグルグルと繰り返しが起こる。
未来?自分を変える?俺は自分でいっぱいでとてもそんな気には慣れず日々を苦しみながら過ごしていた。

そんな中でふとすると河川敷に子供がいた
夕暮れを見ながら黄昏ていた
子供ながら大人びた哀愁漂う表情
かつての自分が悩んでいた時と少年が重なって見えた
俺は何かに突き動かされるように柄にもなく少年に話しかけ悩みを聞いた

そして まさかのかつての自分と同じ悩みだった

それから俺は話しを親身に聞き入り少年と毎日夕暮れの河川敷で話しこんだ
悩み 愚痴 アドバイス TVの事 関係ない話しながらも少年と俺は互いに語り合った

するとある日少年から悩んでいた事が遂に無くなったと聞かされた。少年が涙ながらに俺に感謝する中で俺自身も自然と涙を流していた
少年が自分と重なって見えたのもあったが少年自身が救われた事に俺は本当に良かったと思った

暫くして友人との飲み会
俺は前と随分変わったと言われた
友人だけじゃない 他の人からも言われるようになった。
何があったか?と聞かれて俺は答える

お前の言う通りだった
他人と過去は変えられないが自分と未来は変えられる…ってな

244: 名無しさん@おーぷん 2015/12/18(金)20:13:03
お題「王」です。


247: 名無しさん@おーぷん 2015/12/18(金)20:18:42
女王

男どもは汗水垂らして働いた結果、あたしに貢いでくれるの。
別に、頼んだ訳じゃないからね。あたしが悪人だとか言わないで欲しいわ。
あたしには、その絶対的な権威性からか、実に様々な貢物があったわ。

グリーンで色鮮やかなものから、美味しいディナーまで。
それでも、どの男にしようかって気持ちにはならないの。
まぁ、そういう性格なのかしらね。今じゃないって感じなのよ。

最近、貢ぐのをサボる奴がいるって話を聞いたわ。
でも、関係ない。女王様に貢ぐ男は数千の単位で存在するのだから。
さぁ、男ども。今日も逞しく働いて、あたしに貢いでちょうだい。

あたしはただ、鎮座していればいいの。だって女王だもの。
あたしは真っ黒なボンデージのような服装で、
貢物の一つであるアブラムシの汁を一口すすった。

250: 名無しさん@おーぷん 2015/12/18(金)20:37:45
ある大都会の外れに、この国の王を名乗る男がいた。
その男は自然公園の片隅に、ダンボールとビニールシートで作られた家に住み、ボサボサの長い髪と髭を垂らし、薄汚れた服に身を包んでいた。

街の人間は誰も、その男を王だとは思っていなかった。
浮浪者のキチガイだと思っていた。

王を名乗ったその男は、誰にも相手にされていないにも関わらず、王たる振る舞いを取り始めた。
男は毎朝、噴水で身と服を清め、髪を洗って紐で縛り、髭を整えた。
直臣を持たぬ王は、国のために自分1人でできることを始めた。
食料確保を兼ねたゴミ拾いを行い、ケンカと見れば仲裁に入り、不良少年を見かければこれを戒めた。
夜になると男は、自国民の平和と安寧を星に祈り、ダンボールとビニールシートの王宮で眠りについた。

男は毎日、治安を守るために街中を歩き回り、 国民達に気さくに声をかけ、挨拶をした。
服や食料を献上しようとする国民も中にはいたが、無税と賄賂の根絶を謳う王は、その一切を受け取らず、ただ好意のみを受け取った。

ある日、都会の真ん中で労働者による大規模な暴動が起きた。

251: 名無しさん@おーぷん 2015/12/18(金)20:42:23
私はこの世界の王様だ。何でも私の思いのまま。
何もしなくても食事が口に運ばれるし、服を自分で着る必要もない。
「王様、飢饉のせいで民が疲弊しています。今やパンを作る麦も取れず、至急対策を…」
「パンがない?パンがないならお菓子を食べればいいだろう」
しかし、動かないせいかこの頃めっきり太ってしまった。
今や服を着るのにも30分以上の時間がかかる。かといって運動などをすれば、自分の下手さがバレて家臣に面目が立たないだろう。
どうにか、動かないで痩せる方法はないだろうか。
「ダイエットをしたい。今すぐ痩せる方法はないか?」
私は家臣に命じた。

すると家臣は今流行りのサウナダイエットをすすめてきた。
なんでも火のついたマキを敷き詰めた蒸し暑い部屋の中で汗を流すと痩せるらしい。
それは簡単だ。それにしよう。

家臣に言われるままに特製の部屋へと入った。
これだけ暑ければたっぷり汗を流して痩せるだろう。
「どれくらい入っていればいいのだ」
「少なくとも30分は」
「この中に30分もいるのか?」
私は我慢して部屋の中に座った。
入った時よりも温度がどんどん高くなっていく。
「おい、まだか」
「まだ1分です」
「おい、まだか」
「まだ1分50秒です」
「おい、まだか」
「まだ3分10秒です」
「おい、まだか」
「まだ…」
口の中がカラカラだ。
今まで感じたことのない渇きと眩暈。
意識が朦朧としはじめる。
「おい…、まだか…」
「…」
家臣の声が聞こえない。
私は立ち上がりドアに手をかけるも、ドアが開かない。
「おい、おい…」
「…」

ドアを開けると、すさまじい異臭が漂っている。
その異臭の中心にあるのは、炭の中にある骨。
「早くこれを連れていけ」
「はっ」
新しい王様が、家臣に命じた。

262: 名無しさん@おーぷん 2015/12/18(金)20:48:29
お題「賠償」です。


263: 名無しさん@おーぷん 2015/12/18(金)20:52:03
賠償

「我が国は戦争のきっかけを作った覚えはない」
R国の国防大臣はそう言った。
「我が国はそもそも先守防衛しか憲法で認められていない」
D国の国防長官もそう言った。

講和会議は難航していた。
それを見兼ねたD国の事務次官は伝えた。
「どうです? C国の責任にしませんか? R国はC国を守るため。D国はC国の要請があったため」

「それはいい!」
両国の代表は途端に笑顔を見せた。

一方、C国の防衛長官はつぶやいた。

「賠償チェコってか」

266: 名無しさん@おーぷん 2015/12/18(金)21:06:04
私には自慢の母がいる。
母はいつでも私に優しくどんな事があっても怒らず私を大切にしてくれる。
何だって買ってくれるし、いつでも私が思う全ての事を叶えてくれる。
母としてだけでなく社会的にも権力があり私が何をしてもそれをなかった事にしてくれる素晴らしい人だ。

おかげで私は好きに生きられ全てが楽しい。

全てが私の望む世界 全てが私の思いのまま。




なのに何故私は今縛られているのだろう?
それも民衆の目の前で。

私は隣で同じように縛られている母に助けをこうが母はただただ俯き何も答えない。


そんな私が母に必死に叫ぶ中で壇上の男がいう。


物事には何でもやっていいという事はない。
人に被害を与えた分 自分にも帰ってくるようになるのだよ。

それが「賠償」だ




私にはその言葉の意味が分からず ただただ必死に母に助けをこうのだった。

268: 永遠の1Hz◆1HzvI1zDBo 2015/12/18(金)21:10:23
賠償
とある国で、最高の人工知能が
開発された。
その人工知能は万能で、なんでも
解決してくれる。
「この書類をやっといてくれ」
「承知しました。」
「これをデータにまとめてくれ」
「承知しました。」
人々は、殆どの仕事を、その人工知能に任せっきりだった....
しかし、ある日、隣国とでトラブル
が起こってしまった。
隣国は、「賠償しろ」と言う。もちろん人々は、すぐに人工知能に答えを求めた。
「隣国とのトラブルで、最高の賠償方法は何かね」
「承知しました。」
核兵器のボタンが押された。

279: 名無しさん@おーぷん 2015/12/18(金)21:23:19
お題「税金取り」です。

281: 名無しさん@おーぷん 2015/12/18(金)21:29:35
2036年のビッグクラッシュにより、世界恐慌は再び人類を襲った。
困った世界各国は、あらたな税金の確保に必死になった。

とある国では、生存税を。また別の口では会話税などを取るなどどうにか財源の確保に努めた。
極東のN国で採用された税金取りの方法とは「酸素税」の導入であった。
これなら、赤ん坊から老人まで遍く税金を取ることができるだろう、そう考えたのだ。

ーー2236年。
「宮田さん、お目覚めですね。コールドスリープは成功しました。
 ここは2236年のN国ですよ!」
「あれ、メディコムの方ではないんですか?」
「ああ、民間のメディコムなんかに任せていられません。
 私はN国税務環境省の者です。87億7400万飛んで39円を徴収しに参りました」

282: 永遠の1Hz◆1HzvI1zDBo 2015/12/18(金)21:31:19
「税金取り」
税金とは苦しいものだ
 俺たち国民は、重い税金に悩まされていた。
我慢の限界だった俺たちは、ついに暴動を
起こし、国会議事堂などを取り囲んだ。
暴動は成功し、リーダーだった俺は、新しく政府の重要なポストに着けた。
そして今、国民から多額の税金を取って、甘い汁を吸って
暮らしている。
税金とは嬉しいものだ。
あれ?何か外でワーワー言ってるな
おい秘書様子見てこいうわおまmtjkl

284: 名無しさん@おーぷん 2015/12/18(金)21:40:04
ここ最近税金が上がった。
中流階級とはいえど家庭を持つ私。
妻や子供を何とか食わせていける程度の収入。

そんな中TVのニュースに目を向ける。

貧困が激しいR国に政府は○○億円の援助を…

実感が余りないが私達の税金が使われるようだ。
色んな考えがあるが私は貧困が進む国で私達の税金で救われる人がいると思うと この国の人間として誇らしく思う。
是非有効活用して欲しいと願う

さぁ今日も仕事を頑張るか


私は意気揚々と会社に向かう






総理N国から○○億円の援助の話しが

そうか ならば私らで有効活用しないとな

ハハハッと国の官僚達が笑いながら色々とりどりと並べられた豪華食事を取る。
貧困化が進むこの国でふくよかな体格の官僚達の笑い声が響き渡るのだった。

295: 名無しさん@おーぷん 2015/12/18(金)21:47:22
お題「暗号」です。

297: 名無しさん@おーぷん 2015/12/18(金)21:52:07
「おい、N国の暗号は解けたか?」
「いいえ、複雑な計算式と、特殊な言語体系が使われているようです」
「これでは完全に負け戦だ。情報戦が近代戦の要だというのに。どうにかならないのか!?」
「はい、E博士やF博士にも電信したのですが、その必要はないと言って相手にしてもらえませんでした」
「これはお手上げだ。K諸島に配置してある艦船に連絡を入れろ」
「はっ」
「戦争には負けは許されない、引き続き暗号解読をせよ!」
「はっ」
「はぁ……、これでは目隠ししてボクサーと殴り合いをするようなものだな」



「という演技がかった暗号解読宣言が届きましたが続けますか、大臣?」
「……降伏を宣言しろ」

298: 永遠の1Hz◆1HzvI1zDBo 2015/12/18(金)21:54:28
「暗号」
ある男がいた。そ
の男は、その暗号を解いていた「。
おとこのこ」じゃないのか?
と、張り切って暗号を入力。違った。男は
こどものように泣いた。
はぁ..... ため
いきをつくこともあった。
け、研究の意味はあるのだろうかと
目を真っ赤にしながら言うこともあった。
ん~....とすすり泣くこともあった。


これが、その男が死ぬ前に書き残した暗号だ。
解けるかな?

300: 名無しさん@おーぷん 2015/12/18(金)22:01:03
「お前が好きだ」
「ジュウイチ ジュウイチ ハッピャクハチジュウハチ」
小さい時から彼女とは幼なじみで何度も告白してきたが いつも決まった謎めいた返事。

俺は訳が分からなくいつもモヤモヤしていた。

そんな中でふと今度は携帯で告白しようとしたら何故か目に止まる。
「そういえば…」
携帯の文字欄に1234567890の数字。
もしかしてと思い 彼女がいつもいっていた返事を打ち込む。


「11(い)11(い) 888(よ)」




非常に回りくどいがどうやら彼女もずっと自分と同じ気持ちだったようだ。
俺からも暗号を送る事にする

「2222 22222 000 333 888 111」

アイツはなんと返事を寄越すのだろうか

307: 名無しさん@おーぷん 2015/12/18(金)22:11:15
今、私は絶体絶命の状況に置かれている。
目の前には謎の箱と箱に取り付けられたタイマーがある。恐らくこれは“爆弾”というものだ。
朝起きたら突然テーブルの上に置かれていたそれは明らかに非日常的な出来事だった。
しかし、どうしたものか……爆弾だとしてもどう処理すれば良いか……。
タイマーには残り1時間と表示されているからそれなりに余裕はあるだろう。
よく見ると箱の下にはチラリと紙が覗いていた。手に取ってみると、
「MT?H」
つまり‘?’に入る言葉を当てろというところだろうか、しかし私には簡単なことであった。
こう見えてもIQは200もあり、幼少期から天才児扱いを受けてきていたんだ。
「M」は「明治」、「T」は「大正」、「H」は「平成」
つまり、「?」に入るのは「昭和」、「S」だ。
これで爆弾を止められるのか……? 私は箱の至る所を探った。あった。
側面には一桁だけ数字番号が入力できるようだ…………、数字?
答えは確かに「S」で合っているはずだ、なのになぜ数字……? と、コンマ1秒ほど悩んだが私には簡単なことであった。
「S」を「5」と見立てればこと暗号は成立する。
さてと入力を終えて普通の日常に戻ろうではないか

[OK]<-

「ピピー、カイジョセイコウ カイジョセイコウ」

箱の中にはタイマー付きの箱があった。

317: 名無しさん@おーぷん 2015/12/18(金)22:25:26
お題「正月」です。

322: 名無しさん@おーぷん 2015/12/18(金)22:54:10
正月 それは俺には縁のない話しだ
彼女いない 金ない 友達いない
三拍子揃った俺には新年など どうでもよく実家でゴロゴロしていた

だが母親から口煩くゴロゴロしてるんならせめて初詣くらい行きな と言われ俺はしぶしぶと神社にやってきた。

神社には予想通りに家族 カップル の人々でごった返しており賑わっていた
俺はガヤガヤと賑わう音や人々に埋もれながらようやく賽銭箱にたどり着いた。
神や宗教を信じない俺だがせっかくここまで来たんだからと賽銭箱に金を投げ入れ願う

彼女が出来ますように

どうせ叶わない願い事だと自分で自虐的になりながらもその足で祭りを一通り見て家路へと帰っていく

あぁまた何もなくこのまま今年も去年と同じに過ごしていくんだろう と思っていたら不意に空から凧が落ちて来た。

すみませ~んと遠くから駆け寄って来る女性が見える。

この時の俺はまだ気づかなかった。
人生で一番楽しい年が来る事を

349: 名無しさん@おーぷん 2015/12/20(日)15:05:16

350: 名無しさん@おーぷん 2015/12/20(日)15:05:34
お題「氷」です。


354: 永遠の1Hz◆1HzvI1zDBo 2015/12/20(日)15:12:47
「氷」
ある国に、氷で包まれた遺跡があった。
この国の人々は氷の遺跡を溶かそうとした。壊そうとした。
しかし、何をやっても壊れない。その国の人々が諦めかけた。そのときー
突如、空から灰色のとても大きい棒が現れ、遺跡の一部を掠めとると、空へ消えていった.....
「おじさん、このかき氷うまいね!」

359: 名無しさん@おーぷん 2015/12/20(日)15:26:55
「氷」

目の前に氷の床がある。乗ったら割れるだろうか…

町はずれの小さなため池に、立派な氷が張っていた。
私が住んでいる限りでは、これほどの低温は初めてのことであり、
街中では霜柱にはしゃぐ子供たちの姿があった。
私も内心ではうきうきとしていたのだろう。寒いなどぼやきながらも
ランニングはいつもより遠回りになっていた。

 「ここの池は、結構深かったよな…」人生で初めて見る分厚い氷に
乗ってみたい欲求が募る。しかし、おとなになったが故の危機管理能力が働き
一歩は踏み出せない。童心と理性がせめぎ合い一歩も動けなくなっていた。

「乗れたからなんだっていうんだ馬鹿馬鹿しい」吐き捨ててみるものの、離れることは出来ない。
なぜ自分はこれほどまでに氷に乗りたいのだろうか?確かにこれほどの氷は見たことがない。
でも、見ただけで十分ではないのか?乗る必要性はどこにもない。

 今、子供だったなら無邪気に飛び込んだだろう。そして氷が割れて溺れかけたり
滑って転んだり…それで生きて帰れたなら、苦くて馬鹿馬鹿しくとも
深く刻み込まれた思い出になっていたことだろう。

 「こういうのは子供のころに見たかったな」それだけつぶやくと
引きはがすように身を翻し。街へと急いだ。

 池を眺めている間に、すっかり体は冷えていた。

363: 名無しさん@おーぷん 2015/12/20(日)15:40:25
私は小学生の頃、周りが山に囲まれた自然以外には何もないようなところに住んでいました。

夏になるとみんなこぞって山へ出かけ、その帰り道決まって寄る場所がありました。氷を売る氷屋です。

トタンで出来た屋根に黒ずんだ木でできたおばさんと頭の眩しいおじさん二人のお店で、店の前を通るとよく氷を切っているのでひんやりとした空気が体全体に当たって気持ちよかった場所でした。
いつも二人は私たちにかき氷を作ってくれる優しい人たちでした。

ある日いつものように氷屋に寄ると、その日は店が閉まっていました。
友達に「珍しいなぁ何処かに行ってるんだね」と言って帰ろうとすると、

氷を切っている機械の音がしたので出かけてるわけじゃないんだと思いましたが、
開いていないものは開いていないのでその日はみんなで家に帰りました。

その次の日、遊んだ帰りによるといつものように店は開いていて、かき氷を作ってくれました。

でもいつもいるおばさんが見当たりませんでした。
毎日おじさんに
「おばさんはどうしたの?」
と聞くといつも
「出掛けてるんだ」
と言っていたので、私たちはなんとも思っていなかったのですが、
二週間しても姿が見えなかったのでどこいったんだろ?と思っていました。

もうすぐ夏休みが終わる8月の下旬、

家の冷蔵庫が壊れてしまったのでおつかいを頼まれて初めて氷屋に氷を買いに行きました。

いつも通っていたのですが氷屋にお金を払うのは初めてでした。

やっぱりおばさんはいませんでしたが、
「おじさーん、氷ちょうだーい」
と言うと
大きな入れ物に長方形の透き通った綺麗な氷を入れてくれました。
「おつかいか、偉いねぇ」
と言って、アイスをくれたので上機嫌で帰路につきました。

しかし帰ってからおかしなことに気づきました。

玄関で氷を箱から出して母に渡そうとした時、氷の表面に赤黒い粒みたいなのが付いていました。

私はかき氷のイチゴのシロップだと思いなめましたが、イチゴシロップだと思っていたものは苦い別の何かでした。
そしてよく見ると氷の中に髪の毛が数本入っていました。

379: 名無しさん@おーぷん 2015/12/20(日)15:49:02
お題「しょうゆ」です。

381: 名無しさん@おーぷん 2015/12/20(日)15:54:12
「明日の天気は、意外に思われるでしょうが、醤油です。現在気象庁ではーー」

奇想天外な天気予報は現実となった。
天から日本のみに限定的に降り注ぐ醤油の雨。
醤油会社は、これではいけないと細菌のない新鮮さをCMで謳った。

漁業組合では、それいけと魚を宣伝した。
回転寿し業界もそれに迎合して醤油の使用を推した。

ソース業界はというと、醤油味に飽きる消費者がいるに違いないと、
刺身に合うソースを開発し、CMを打った。

政府は醤油の輸出を模索した。
ハワイ、中国文化圏、北米、南米、ロシアにも売れ行きは好調のようだった。

こまったのが醤油のペットボトルや瓶を作る企業で倒産が相次いだ。
しかし、醤油の雨が止まったら、それこそチャンスだと融資を受ける企業もあった。

農作物は壊滅的な被害を被るだろうが、目の前にある黒い雨に、
国民の少数しか、その心配をしなかった。

さて、この件で一番得をしたのは誰?

383: 永遠の1Hz◆1HzvI1zDBo 2015/12/20(日)16:00:24
「しょうゆ」
私の夫の実家は、田舎だ。
コンビニまで2時間。田舎すぎるだろ。
何でも「伝統の醤油屋」らしいのだが.....
田舎に帰ると、夫の親戚の冷ややかな目。
そんな中で、唯一私に優しく接してくれたのが、大おばさんだった。
おばさんは、毎年、「嘗めてみぃりょうちゃん」と、醤油をくれる。
その年の醤油は妙に美味しかった。
「美味しいです。」と言うと、おばさんは
優しい目でこちらを見つめてくれた。
翌朝、おばさんは亡くなった。
心臓発作だそうだ。
おばさんは、死ぬ間際、「りょうちゃんに、りょうちゃんに....手紙を..」
とうわごとの様に呟いて居たそうだ。
手紙を見せられた。
「りょうちゃん。ここにもう慣れましたか?
今日、醤油が美味しいと言ってくれてありがとう。
来年も楽しみにしとき。」
私は泣いた。
夫も、親戚の人達も泣いていた。

384: 名無しさん@おーぷん 2015/12/20(日)16:08:22
「醤油」

2016年のクリスマス。突如活動を開始した過激集団「ポン酢ラー」が日本を支配し、醤油を禁止してから1年がたっていた。
醤油の解放を願い、活動してきたレジスタンスたちはもう半分も残っていなかった…

「隊長…これが最後の醤油です」
部下の一人が弱弱しく小瓶を差し出す。
レジスタンスがなけなしの技術で密造したしょうゆ…味は最悪だったが
これでも我々に残された最後の心の味だった。

「こんな寒い日に食べるものが冷奴しかない事を許してくれ…」
「良いんですよ。燃料は醤油の密造に必要だったから仕方がないです」
「冷奴が残っているだけでも奇跡ですよ」
謝る私を部下たちが慰める。

「大変だ!隊長!」
見張りに出していた人員があわてて基地に走りこんでくる
「どうした!あまり騒ぐな、見つかったらどうする!」
「そ…それが…」
偵察兵は握りしめた紙をふるえる手で広げ、私の顔の前に突き出す。
無礼で乱暴な行為だったが、そんな些細なことなど気にならなかった。
「おい!これは本当なのか?」
「本当です。博士はこれを託して自ら…」

そのくしゃくしゃの紙にはこう書かれていた。
「親愛なる隊長殿。私はこのたびとんでもない事実を発見した。
ポン酢ラーが崇めるポン酢の中にわずかだが醤油が含まれていることが確認されたのだ。
奴らはありとあらゆる醤油を排除してまわった。私の予想が正しければ。奴らのポン酢も底を尽きているはず
これからそれを確認するため。私は奴らの本拠地に乗り込む。 いきてまた逢うことを願っている」

原動力が底を尽きていたポン酢ラー軍は驚くほどあっさりと壊滅し。醤油の自由を取り戻した。
もう少し、事態の展開が遅れていればこちらの醤油も底をつき。共倒れになっていたことだろう。
「あいつは…何をやっているんだろうな」

我々は、みんなで食べるはずだった冷奴に醤油をかけて
英雄の帰りを待っていた。冷奴なら覚めることはない
きっといつまでも待っていられる。博士は夕食に間に合うように帰ってくるはずだ。

386: 名無しさん@おーぷん 2015/12/20(日)16:20:26
私は会社帰りにある一軒の飲み屋に立ち寄った
狭く、冴えない親父が一人で切り盛りしてるような小汚い店だ
料理の味は大したことはないものの
刺身につける醤油は絶品な味だった

「この醤油、普通の醤油ではありませんよね?」
私は思わず醤油が入っているであろう瓶を指さし問う
「いえ、普通のしょうゆですよ」
親父はボソっと答える
そんなはずはない!
長年飲み歩いた私には分かる
この醤油には他にはないコクや辛さがある
だが店のおやじはそれ以上は答えなかった

私はどうしてもその醤油の秘密が知りたく
次の日仕込みをしているであろう時間に忍び込んだ

息をこらせて親父の作業を隠れて見ていると
そこには市販の醤油を瓶に入れ
汗だくで醤油を混ぜてる親父の姿があった

395: 名無しさん@おーぷん 2015/12/20(日)16:26:14
お題「不老不死」です。


398: 名無しさん@おーぷん 2015/12/20(日)16:39:19

不老不死となってから何百年たっただろうか…

その日生きるにも困り、誰かの助けを待ち続けていたのは今は昔。
死にたくない一心で悪魔を騙し、俺は不老不死となった。

絶対に死なない。その心の余裕は人生を豊かにした
さまざまな人と出会い。時には愛し合い。以前では考えられないような人生だった。

いつからだろうか。人との別れが多くなってきた気がした。
不老不死なのは俺だけ。別れが多いのは覚悟していたがここまでつらいとは…

俺は、人との関わりを控え。学問に没頭していった。
何百年も変わらぬ星空ならば、俺を癒してくれると思った

星のことばかり考えて何百年もたった。
星のことをなんでも知ろうとしたのがいけなかった
私は知ってしまった。星にも寿命があることを。自分が建っているこの大地すら
いつかは無くなってしまうのだということを。

…そのあとも私は何もない場所で生き続けることを。

399: 永遠の1Hz◆1HzvI1zDBo 2015/12/20(日)16:39:50
『不老不死』
えみちゃんは、仕事で忙しいお父さん
のために、お父さんの絵を描いていた。
すると、お父さんが急に息を切らしながら家に駆け込んできた。
「えみ、早く逃げるんだ!!A国が核をうってきた!!」
かく?なにそれ
「いいからえみ!!」
そう言うと、お父さんは、えみちゃんの手を握って、走り出した。
そうして辿り着いたのは、分厚いドア
のあるどこか。
「くそっ!!!シェルターが空かないっ!!少し空いたが!!これでは!」
お父さんは頑張っていたが、やがて諦め、「えみ、ここへ入りなさい」
と静かに言った。
えみちゃんは、「なんで~?」とただをこねたが、お父さんは「ここに入ると、死なずにすむ.....そう、不老不死になれるんだ!!」
「不老不死って、何~?」
えみちゃんは、不老不死への好奇心から、シェルターに入った。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー
「しかしこの子、この中で良く生きてられたな.....」
「父の愛って奴だろ。きちんと子供のお菓子まで置いてある」

ーーーーーーーーーーーーーーーー
不老不死-永遠に死なないこと。又、その命。 ずっと。

410: 名無しさん@おーぷん 2015/12/20(日)16:59:33
お題「記憶」です。

411: 永遠の1Hz◆1HzvI1zDBo 2015/12/20(日)17:05:35
「記憶」
記憶は、完全なものではない。
憶測も。大事なのはそれ
をどう研究するかだ。
ないんだ。私の記憶は。政府関係か?
くそっ.....記憶さえあれば.....ん?
しかし、私は思い出した。政府から
まるめこまれてしまった私の不祥事。
しりたくて、知りたくて。
たまらず政府の人に聞いたら...........

412: 名無しさん@おーぷん 2015/12/20(日)17:06:15
記憶が無い

私は過去の記憶を一切持たない。
今、手元のメモを見ながら病院で診察を受けている。
しかし、メモの最初の方に決定的な治療法はないと書いてある。
また、言葉や自転車の乗り方などは小脳レベルで覚えているとも書いてあった。

案の定、医者は様子を見て下さいと言っていた。
さて、家に戻るにもメモを見ながら帰った訳だが、
家の机の上に一冊のノートがあることに気がついた。

ノートには私が持つメモと同じ名前の人物の殺人日記のようだ。
私は現実を認めたくなく、そのノートを本棚の裏に投げ込んだ。
強くなって、震えながら布団を被った。

ふぁぁ、いつしか寝てしまっていたようだ。
ふと、気がつくと、机の上にノートが置いてあった。
そこには私であろう人物の殺人日記が書かれたていた。

怖くなって本棚の後ろにねじ込もうとすると、
そこにはノートが、山のように押しつぶされた状態で存在していた。

414: 名無しさん@おーぷん 2015/12/20(日)17:16:31

通勤の途中でふと足が止まる。
「ん?…」
言いようのない違和感が思考をかすめる。
ここまでの行動で何かおかしなことがあっただろうか?

鍵は…ちゃんと閉めた。鍵をしめる感覚をしっかりと覚えている
エレベーター…足が悪いのでいつも通りエレベータで降りた
そして、マンションの前でタクシーに乗り込み会社に…

「ん?」

なんで今あるいてる?通勤途中じゃなかったのか?
私はとりあえず階段を降りながら考える…

会社に着いた後。いつも通り事務作業。足が動きにくいので書類の運搬など
部下にはいつも通り余分な苦労をかけてしまった。業務終了後…これ昨日の記憶じゃないのか?

ぽっかり丸一日分の記憶が抜けていた事実に驚愕し膝が抜けおちる。
あまりにも驚いたのでそのまま地面に膝を強打し。全治数カ月のけがを負った。
ギプスをはめて動けるようになるまで幾日かかかった。我ながらばかげている。

ひざを強打した時の痛みのせいで違和感の正体はつかめなくなってしまったがもうどうでもいい。
今は、部下に迷惑をかけていて申し訳ないので早く膝を治したい。その位しか考えることがない。

424: 名無しさん@おーぷん 2015/12/20(日)17:29:29
>>421
ごめんなさい、間に合わなかったわ

431: 名無しさん@おーぷん 2015/12/20(日)17:35:22
木枯らし

433: 名無しさん@おーぷん 2015/12/20(日)17:43:55
木枯らしが寒い季節になった
口から入る冷気が喉の奥を刺し肺に落ちる
小学生の頃はこの季節はマラソン大会だった
中・高は部活で何足も靴を破いた
そのたびに親に新しい靴を買ってもらった
家計はひっ迫していたが、いつも嫌な顔せず買ってくれた母さん
そうだ今日は母さんに何か買って帰ろう
木枯らしも寒くない暖かいコートでも

434: 永遠の1Hz◆1HzvI1zDBo 2015/12/20(日)17:57:09
「木枯らし」
「木枯らし.....」
A国は異常気象で、最近は木枯らしすら
吹かなくなっていた。
木枯らしが吹いたことに人々は歓喜し、感動した。
テレビは大々的にこの事を報じた。

しかし、実はこの木枯らしは敵国の爆弾が空を切るときに起きた反動で吹いた風で、二日後にA国は滅亡したのは言うまでもない。

436: 名無しさん@おーぷん 2015/12/20(日)18:03:14
僕はいつも通勤途中に、絶妙な短さのスカートを履いている女子高校生とすれ違う。風が吹いても、ギリギリのところでパンツが見えないのだ。
いつか彼女のパンツを見てやる…!
朝の女子高校生とのすれ違いは、僕の中でゲームのミッションのような存在になっていた。

10月中旬、ふと思いつきから、カゼダスを買ってみた。風速がわかるという、アレだ。
女子高校生とすれ違う瞬間の風速を、何回か測ってみると、風速7m/s以下であることがわかった。この7m/sが、パンツを守る壁として立ちはだかっているのだ。
風速8m/sが出れば、女子高校生のスカートはめくれる…。そう、木枯らしだ。僕はこれを木枯らし作戦と名付け、それが吹くのを今か今かと待ちわびていた。

11月1日。その日はいつもよりも寒く、これは、という期待があった。カゼダスを手に、いつもの道を歩く。
……件の女子高校生が前からやってきた。さあ吹け木枯らし!彼女のパンツは何色だ?
そのとき、僕の思いが通じたかの様に、強い風が吹いた。カゼダスにチラリと目をやると、…風速10m/s!僕は嬉々として、彼女のスカートを見つめた。
……めくれなかった。それどころか、いつもよりもスカートが舞い上がる高さが、低かった様に思えた。
僕は失意と疑問に頭をいっぱいにしながら、会社へと向かった……。
会社につき、皆と挨拶を交わす。ふと、僕は違和感を抱いた。何かがいつもと違う。隣の席のOLに話しかけてみた。
「君、何だかいつもと違くないかい?」
「いつもと違うところ……?あ、今日衣替えをしたよ!」

437: 名無しさん@おーぷん 2015/12/20(日)18:04:14
「見えた!」

此処は校内の男が知る人ぞ知るパンチラスポットである。
昨今の女子高生のトレンドであるミニスカートは男子学生にとっても有りがたいものであった。

見えそうで見えない隙間から見える神秘。
薄いヴェールに包まれた更なる官能領域。
清純の象徴である純白、可愛らしさを引き立てるピンク、成熟に至らずも大人らしさを演出する黒。
結局のところ、今宵の慰みの為にも見えることが重要であるのだ。

「うん、我慢できるかねぇ」

今日の収穫が満足しすぎてしまう内容であったため、男は家まで自身の解放をせずにいられるか不安になる。

そして気付いてしまった。
既に屹立した分身が下着の中で擦れ、カウパー液でどろどろとなっており、絶頂に達する寸前であることに...

それ以来、彼を此処で見ることは無かった。

438: 名無しさん@おーぷん 2015/12/20(日)18:04:47
すげえネタかぶりを見た



転載元:http://viper.open2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1450351800/